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さんじゅうろうの覚え書き

不治の中二病を患っている中年男『さんじゅうろう』の他愛のない覚え書きです。10年後には立派な黒歴史になっているかもれしない。

外郎売(ういろううり) -滑舌と発声の練習に最適です-

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私は滑舌があまりよろしくない。これは小さい頃からのコンプレックスで、なんとかならないものか?と思っていた折に、たまたまiPhoneのアプリで知った『外郎売』(ういろううり)にハマり、事あるごとに朗読をしている内に少し舌の滑りが良くなって来た、と言うこともあり今回ご紹介します。

外郎売とは?

元々は1718年(亨保三年)に二代目市川團十郎によって初演された歌舞伎十八番の一つ。

現在ではアナウンサーや声優、俳優などの発声及び滑舌の練習教材に使われ広く知られています。それらの方々は外郎売を暗唱できる人も少なくないらしいですよ。

 

練習方法

まずは読みながらの朗読。進んで行くうちに難易度が上がっていきますので、まずは発声と滑舌に注意しながら、ゆっくり読み上げていくと良いと思います。次は文章の意味を捉えながら抑揚をつけて読む、早口言葉のようではあるが、敢えてそれを意識せずに確実に読み上げるのが良いと思います。(暗唱や早口はボーナスステージだと考えると良いですよ)

 

本文

拙者(せっしゃ)親方と申すは、御立会(おたちあい)の内に御存知のお方もござりましょうが、お江戸を発(た)って二十里上方(にじゅうりかみがた)、相州小田原一色町(そうしゅうおだわらいっしきまち)をお過ぎなれて、青物町(あおものちょう)を上(のぼ)りへおいでなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門(らんかんばしとらやとうえもん)、只今は剃髪(ていはつ)致して圓斎(えんさい)と名乗りまする。

元朝(がんちょう)より大晦日(おおつもごり)までお手に入れまするこの薬は、昔、珍の国の唐人(とうじん)、外郎(ういろう)と言う人、我が朝(ちょう)へ来たり、帝へ参内(さんだい)の折りからこの薬を深く篭め置き、用(もち)いる時は一粒(いちりゅう)ずつ、冠(かんむり)の隙間より取り出(いだ)す。

依(よ)ってその名を帝より『透頂香(とうちんこう)』と賜(たまわ)る。

即(すなわ)ち文字(もんじ)には『頂き(いただき)・透く(すく)・香い(におい)』と書いて、とうちんこうと申す。

 

只今はこの薬、殊の外(ことのほか)世上(せじょう)に弘(ひろ)まり、方々に偽看板を出(いだ)し、いや小田原の、灰俵(はいだわら)の、さん俵の、炭俵(すみだわら)のといろいろに申(もう)せども、平仮名をもって『ういろう』と記(しる)せしは親方圓斎ばかり。

もしやお立合いの内(うち)に熱海か塔の沢(とうのさわ)へ湯治(とうじ)にお出(いで)なさるか、又は伊勢ご参宮の折(おり)からは、必ず門違い(かどちがい)なされまするな。

お登(のぼ)りならば右の方(かた)、お下(くだ)りならば左側、八方(はっぽう)が八つ棟(やつむね)、表(おもて)が三つ棟(みつむね)、玉堂造り(ぎょくどうづくり)、破風(はふ)には、菊に桐(きり)の薹(とう)の御紋(ごもん)を御赦免(ごしゃめん)あって系図正しき薬でござる。

 

いや、最前(さいぜん)より家名(かめい)の自慢ばかり申しても、御存知ない方には正身(しょうしん)の胡椒(こしょう)の丸呑み、白河夜船(しらかわよふね)、さらば一粒(いちりゅう)食べ掛けて、その気味合い(きみあい)をお目にかけましょう。

 

先(ま)ずはこの薬をかように一粒(いちりゅう)舌の上に乗せまして腹内(ふくない)へ収めますると、いやどうも言えぬは胃・心・肺・肝(い・しん・はい・かん)が健(すこ)やかに成(な)りて、薫風(くんぷう)喉(のんど)より来たり。口中微涼(こうちゅうびりょう)を生じるが如し。魚鳥(ぎょちょう)・茸(きのこ)・麺類(めんるい)の食い合わせ、その外(ほか)、万病速攻(まんびょうそっこう)あること神の如し。

 

さて、この薬、第一の奇妙には。舌の廻ることが銭独楽(ぜにこま)が裸足で逃げる

ひょっと舌が廻り出すと矢も盾も堪(たま)らぬじゃ。

そりゃそりゃそらそりゃ、廻ってきたわ、廻ってくるわ。

 

あわや喉(のんど)サタラナ舌(した)にケ牙サ歯音(ケがサしおん)、ハマのふたつは唇の軽重(けいちょう)、開合(かいごう)さわやかに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、ひとつへぎへぎに、へぎ干しはじかみ、盆豆(ぼんまめ)、盆米(ぼんごめ)、盆ごぼう、摘み蓼(たで)摘み豆(つみまめ)、摘み山椒(つみざんしょう)、書写山(しょしゃざん)の社僧正(しゃそうじょう)、粉米(こごめ)のなまがみ粉米のなまがみ、こん粉米の小生(こなま)がみ、繻子(しゅす)、緋繻子(ひじゅす)、繻子、繻珍(しゅちん)、親も嘉兵衛(かへい)、子も嘉兵衛、親かへい子かへい、子かへい親かへい、古栗の木(ふるくりのき)の古切り口(ふるきりくち)。

 

雨合羽(あまがっぱ)か番合羽(ばんがっぱ)か、貴様のきゃはんも皮脚絆(かわぎゃはん)、我らのきゃはんも皮脚絆(かわぎゃはん)、しっ皮袴(かわばかま)をのしっぽころびを三針針長(みはりはりなが)にちょと縫(ぬ)うて、縫(ぬ)うてちょとぶん出せ、河原撫子(かわらなでしこ)、野石竹(のせきちく)、野良如来(のらにょらい)、野良如来、三(み)野良如来に六(む)野良如来

ちょっと先(さき)のお小仏(こぼとけ)におけつまずきゃるな、細溝(ほそどぶ)にどじょにょろり。

京の生鱈(だら)奈良なま学鰹(まながつお)、ちょっと四、五貫目(し、ごかんめ)、お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ、茶立ちょ、青竹茶筅(あおたけちゃせん)でお茶ちょっと立ちゃ。

来るわ来るわ何が来る、高野(こうや)の山のおこけら小僧。

狸百匹(たぬきひゃっぴき)、箸百膳(はしひゃくぜん)、天目百杯(てんもくひゃっぱい)、棒八百本(ぼうはっぴゃっぽん)。

武具、馬具、ぶぐ、ばぐ、三ぶぐばぐ、合わせて武具、馬具、六ぶぐばぐ。

菊、栗、きく、くり、三菊栗(みきくくり)、あわせて菊、栗、六菊栗(むきくくり)。

麦、ごみ、麦、ごみ、三(み)麦ごみ、合わせて麦、ごみ、六(む)むぎ、ごみ。

あの長押(なげし)の長薙刀(ながなぎなた)は、誰(た)が長薙刀ぞ。

向こうの胡麻(ごま)がらは、荏(え)の胡麻がらか、真胡麻(まごま)がらか、あれこそほんの真胡麻殻(まごまがら)。

 

がらぴい、がらぴい風車(かざぐるま)、おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師(こぼおうし)、ゆんべもこぼしてまたこぼした。

 

たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ、たっぽたっぽ一丁(いっちょう)だこ、落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬものは、五徳(ごとく)、鉄球(てっきゅう)、かな熊童子(くまどうじ)に、石熊(いしぐま)、石持(いしもち)、虎熊(とらくま)、虎(とら)きす、中にも東寺(とうじ)の羅生門(らしょうもん)には茨木童子(いばらきどうじ)がうで栗五合(くりごんごう)、つかんでおむしゃる、かの頼光(らいこう)のひざもと去らず。

 

鮒(ふな)、きんかん、椎茸(しいたけ)、定(さだ)めて後段(ごだん)な、そばきり、そうめん、うどんか、愚鈍(ぐどん)な小新発地(こしんぼち)。

 

小棚(こだな)の、小下(こした)の、小桶(こおけ)に、子味噌(こみそ)が、こ有るぞ、小杓子(こしゃくし)、こ持って、こすくって、こよこせ、おっと合点(がてん)だ、心得(こころえ)たんぼの川崎、神奈川、程ヶ谷、戸塚は走って行(ゆ)けば、やいと摺(す)りむく、三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯(おおいそ)がしや、小磯の宿を七つ起(お)きして、早天早々(そうてんそうそう)、相州小田原(そうしゅうおだわら)とうちんこう、隠れござらぬ貴賎群衆(きせんぐんじゅ)の花のお江戸の花ういろう。

あれあの花をみてお心をおやわらぎやという。

産子(うぶこ)、這子(はうこ)に至るまで、この外郎(ういろう)の御評判、御存知ないとは申(もう)されまいまいつぶり、角(つの)出せ、棒(ぼう)出せ、ぼうぼうまゆに、臼(うす)、杵(きね)、すりばち、ばちばちぐゎらぐゎらぐゎらと、羽目をはずして今日(こんにち)おいでのいずれの様(さま)に、上(あ)げねばならぬ、売らねばならぬと、息せいひっぱり、東方世界(とうほうせかい)の薬の元締め、薬師如来(やくしにょらい)も照覧(しょうらん)あれと、ホホ敬(うやま)って、ういろうは、いらっしゃりませぬか。

 

本文の補足説明

コピー&ペーストをするのが自分的にどうしても許せないので、全文タイプしました。

もう一つの理由として、いろいろなブログに紹介されている外郎売はそれぞれに微妙に句点の打ち方、濁点のいれかた、読み方などが違っており、それを擦りあわせてリライトすることにより、私自身が読みやすいと言う事を念頭において編集しなおしたからです。

送り仮名が散見していますが、朗読と言う事を考えて多めに振ってあります。

あとNAVERまとめさんの三分割難易度方式を取り入れて、色分けをしてあります。

そして私がいつもカミカミになってしまう場所がありますので、特に難易度が高い場所は太字で表記させて頂きました。(皆さんはどうかな?)

 

・今回参考にさせて頂いたサイトは以下の3つになります。

声優、アナウンサーも読んでいる「外郎売り」に挑戦! - NAVER まとめ

↑3分割にして難易度が分けてあるのを参考にさせてもらいました。こちらも見やすい。 

外郎売 - Wikipedia 

外郎売 - Wikisource

大変参考になりました、ありがとうございました。

 あと、普段から使っているiPhoneアプリAmazonのプライムMusicの中にあった『外郎売り(教材)』も確認用に使用しています。

最後にダメ押しで三周ほど自分で声を出して読んで見たので、間違いは無いと思いますが……何回確認しても心配だなぁ。(アラ探しはご容赦を……。)

 

後記

読む練習は何回もやってれば、どんどん上手に読めるようになります。やっぱ継続は大切ですね。暗唱出来たり、タイプの練習に使ったりと用途は考えれば意外に膨らむなぁ…と感じました。

もっと早く書き上げる事が出来るかと思っていたのですが、思いのほか時間がかかってしまいました。もっと話す速度と同じくらいの速さでタイピングが出来ると思っていたのだが、衰えたなぁ。写経感覚でこれをタイピングしようかなぁ…。

げ…4000字超えてる。もっとぎゅっとしたいんだけどなぁ…。

今回も長々のお付き合いありがとうございました。